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横浜の食べ歩きガイド · 2026

横浜で食べたいもの
港町が世界に贈った6品

1859年に港を開いてから、横浜の食はすっかり変わりました。トラックの車庫を改装した店で生まれた濃厚な豚骨醤油ラーメン。あえて冷めてもおいしく作られたシウマイ。1,200年続いた仏教の肉食の戒めを破った牛鍋。まずはここから食べ始めましょう。

この街で食べる理由

港が育てた食の街

静かな漁村が、1859年にいきなり外国船の大船団を受け入れることになった——これが横浜の始まりの物語で、ここでの食事が日本のほかのどことも違う理由でもあります。中国の料理人たちがやってきて、今では日本最古・最大となった中華街の礎を築きました。ホテルのシェフはアメリカの配給食材をスパゲッティナポリタンに仕立て、それが全国へと広がっていきました。トラックの車庫を改装した店の主人は家系ラーメンを生み出し、そのあまりの満足感に、全国で1,000軒を超える店が生まれることになったのです。

その一方で、横浜はほかの街にはない料理も生み出しました。豚肉に干しホタテの粉を混ぜ込んだ崎陽軒のシウマイは、あえて冷めてもおいしく作られています。働く人たちが電車で持ち帰りたいと思ったからです。鉄鍋で味噌とともに牛肉を煮込む牛鍋は、千年以上も肉を食べてこなかった日本人に広く提供された、最初の牛肉料理でした。この港町の物語を一皿で語ってくれる6品を選びました。

必食の6品

横浜を離れる前に食べたい6品

「横浜らしさ」の強い順にランキング。横浜に「ある」だけでなく、横浜だからこそ「生まれた」料理を選びました。

大きな丼に入った横浜家系ラーメン。濃いオレンジ色の豚骨醤油スープに、厚切りチャーシュー2枚、海苔、味玉、ゆでたほうれん草の山 1
横浜家系ラーメン(家系ラーメン)
豚骨醤油 · 1974年 横浜生まれ

火曜のお昼に45分も並んででも食べたい——吉村家には、それだけの理由があります。家系ラーメンは、ただの豚骨スープではありません。豚骨を濃厚で白濁するまで煮詰め、そこへ醤油でしっかり味つけ。福岡の豚骨の脂の甘みと、東京の醤油の奥深い旨みの、ちょうど中間あたりに着地する味わいです。麺は細い縮れ麺ではなく、太めのストレートでコシのあるタイプ。チャーシューもケチらず、たっぷり。海苔は立てて差してあるので、スープにくぐらせながら食べられます。さらに、ほうれん草の量・麺のかたさ・スープの濃さはすべてお好みで調整可能。吉村家では、作る前にスタッフが3回も好みを聞いてくれますよ。

お店:吉村家 · 横浜駅から南へ徒歩10分、ジョイナス側の5番出口 · 1974年創業の元祖
値段:1杯¥900〜1,200(ライスは¥100〜200別途)
コツ:ピーク時の45〜90分待ちを避けるなら、開店の11時前か13〜16時に
淡い色の経木の箱に入った崎陽軒シウマイ弁当。左に黒ごまをのせたごはん、右にシウマイ、唐揚げ、玉子焼き、おかずが並ぶ 2
崎陽軒シウマイ弁当(崎陽軒シウマイ弁当)
豚肉と干しホタテのシウマイ · 1928年から

たいていの料理は、温かいうちに食べるように作られています。でも崎陽軒のシウマイは、あえて冷めてもおいしいように作られていて、これがちょっとした感動なんです。1928年から、崎陽軒は粗びきの豚肉に干しホタテの粉を混ぜ込んでいて、これがほかでは出せない、ほのかで澄んだ海の甘みを一つひとつに与えています。冷めても皮はゴムっぽくならず、むしろほどよく締まり、餡もぎゅっと密になって、噛むたびに醤油ベースのタレがしっかり感じられます。お弁当の箱は香りのよい杉の経木でできていて、余分な水分を吸ってくれるので、何時間たってもごはんがちょうどいい状態のまま。新幹線で横浜から西へ向かう人が淡い色の木の箱を持っていたら、ほぼ間違いなく崎陽軒のものですよ。

買える場所:横浜駅(そごう、ポルタ)、新横浜駅、ホームの売店などの崎陽軒
値段:お弁当¥950〜1,100 · できたて温かいシウマイ6個¥380〜550
コツ:冷めた状態で4〜6時間以内に食べるのがベスト。電子レンジはNG——あの食感こそが命です。
🍲 3
牛鍋(牛鍋)
牛肉と味噌の鍋 · 1868年から続く太田なわのれん

1868年——横浜の開港からわずか9年後——高橋音吉が今の日ノ出町あたりに店を構え、鉄鍋で牛肉を味噌で煮込む料理を出し始めました。これは本当に大胆なことでした。日本では1,200年以上にわたり仏教の戒めで肉食が禁じられていて、ふつうの人々は牛肉を食べることにとても用心深かったのです。外国の船員が毎日それを食べる姿を見ていた横浜の港湾労働者たちが、まっ先に牛鍋を喜んで受け入れました。今も太田なわのれんは同じ地域で営業を続け、昔ながらのレシピを守っています。厚切りの和牛、味噌または醤油、砂糖、そして土鍋とはまったく違う熱の伝わり方をする鉄鍋。日本で食べられる、もっとも歴史的に意味のある一食のひとつです。

お店:太田なわのれん(日ノ出町駅近く)· じゃのめや(伊勢佐木町)· 荒井屋(万国橋)
値段:ランチ1人¥4,000〜6,000 · ディナー1人¥8,000〜15,000(A5和牛)
コツ:ディナーは予約を。ランチのほうが当日でも入りやすいです。太田なわのれんがいちばん昔ながらのレシピを守っています。
🍝 4
スパゲッティナポリタン(ナポリタン)
ホテルニューグランド発祥 · 1945年考案

1945年、アメリカの進駐軍がホテルニューグランドをマッカーサー元帥の司令部として接収しました。あるスタッフ将校が、入江茂忠シェフにパスタを作るよう頼みます。入江シェフにクリームソースはありませんでしたが、トマト、ハム、玉ねぎ、ピーマン、マッシュルームならありました。それらを一緒に炒め、スパゲッティをからめ、すりおろしチーズをかけて仕上げます。アメリカの将校たちは大喜び。やがてこの料理はケチャップベースにアレンジされて全国へ広まり、あまりにありふれた存在になったため、ナポリタンをイタリア料理だと思っている日本人も多いほど。でも、そうではありません。この建物で、この街で、戦後ならではの状況の中で生まれた料理なのです。ホテルニューグランドでは今も、歴史ある本館1階の「ザ・カフェ」で、入江シェフの元祖トマトソース版を提供しています。きらびやかな料理ではありません。素朴で、濃厚で、そして歴史が生まれた部屋で食べると、なぜか胸に来るのです。

お店:ザ・カフェ(ホテルニューグランド本館1階)· 山下公園のウォーターフロント
値段:¥2,200〜2,600(ランチセット)
コツ:ランチは予約不要。週末はちょっとした待ちを避けるためお昼前に行くのがおすすめ。
🍜 5
サンマー麺(サンマー麺)
あっさりスープのラーメンに炒め野菜 · 1918年から続く玉泉亭

家系が横浜ラーメンの「濃い」側だとすれば、サンマー麺はその対極。あっさり醤油スープの麺の上に、炒めたての野菜と豚肉が山盛りになって、まだ熱気と湯気をまといながら運ばれてきます。発想は中華街そのもの。澄んだ麺スープという日本の習慣に、中華風の炒め物をのせ、食べ進めるうちに熱い野菜がじわじわとスープに味を移していく——そんな一杯です。1918年創業の玉泉亭が、これをいちばん早く、そしてずっと変わらず作り続けてきました。伊勢佐木町の本店は三代続く老舗で、見た目もまさにそのとおり。それがいいんです。

お店:玉泉亭 伊勢佐木町本店、または横浜ポルタ店
値段:1杯¥850〜1,100
コツ:すぐに食べること——上の炒め野菜はすぐにしんなりしてしまうので、あのシャキシャキ感が肝心です
横浜中華街の食べ歩き屋台。赤と金の中国語の看板に、肉まん・台湾唐揚げ・ドリンクが350〜600円と書かれたメニューボード 6
中華街の食べ歩き(中華街)
日本最大の中華街 · 1863年から続く600軒以上のお店

横浜中華街はテーマパークではありません。1863年からずっと人々が暮らし、働き続けてきた街であり、その料理には、160年かけて受け継がれ磨かれてきた本物の広東・上海・福建の味が息づいています。いちばんの楽しみ方は、お店に腰を落ち着けるのではなく、歩きながら屋台で買うこと。老祥記の肉まんは、街じゅうのほかの肉まんがそれと比べられる基準のような存在です。皮は薄くてほんのり甘く、餡は豚肉ときのこがぎっしり。揚げシウマイは紙の舟に入って、熱々でパチパチ音を立てながら、ラー油の小鉢を添えて出てきます。ごま団子(揚げごま団子)は、まだ食欲があるうちに、メインストリートの真ん中あたりのお店で買うのがおすすめ。いいなと思った屋台すべてで立ち止まって食べると、ひと回り45分ほどかかりますよ。

行き方:みなとみらい線で元町・中華街駅へ、2番出口から徒歩2分
肉まんなら:老祥記(山下町)· 10時〜19時営業、ちょっとした行列を覚悟して
ベストな時間帯:平日の15〜18時——屋台が出そろい、週末のお昼より空いています
全部を食べ尽くす

横浜の1日食べ歩きプラン

6品を1日で。ウォーターフロントから中華街へ、そして戻ってくるルートです

08:00
朝食 — ウォーターフロントで崎陽軒シウマイ弁当 横浜駅で崎陽軒のお弁当(¥950〜1,100)を買って、山下公園のベンチで、目覚めていく港を眺めながら食べましょう。冷めたシウマイ、杉の香りのごはん、そしてコンテナ船——いちばん横浜らしい横浜がここにあります。
10:00
午前遅め — ホテルニューグランド「ザ・カフェ」 ウォーターフロントを歩いてホテルニューグランドへ。ランチの混雑が来る前に、1階のカフェでスパゲッティナポリタン(¥2,200〜2,600)を注文しましょう。建物も美しく、この料理にまつわる物語も知る価値ありです。
13:00
午後早め — 中華街の食べ歩き ホテルニューグランドから徒歩10分で中華街の門に到着。老祥記で肉まん(¥350〜400)、ごま団子(¥200)、台湾唐揚げを1人前(¥500)。歩きながら食べましょう——この通りはまさに食べ歩きのための場所です。
15:30
午後なかば — 玉泉亭でサンマー麺 伊勢佐木町へ向かい、玉泉亭でサンマー麺(¥850〜1,100)を一杯。ディナーの行列を避けるなら午後早めに。すぐに食べましょう——野菜のシャキシャキ感はあっという間に失われてしまいます。
18:30
夕食 — 吉村家で家系ラーメン 吉村家へ(横浜駅から10分)。ディナーの行列がいちばんひどくなる前に、18時30分までに到着を。麺のかたさ(「普通」が標準)、スープの濃さ、ほうれん草の量を注文しましょう。1杯(¥900〜1,200)にライスセットを添えれば、1日のしめにぴったりです。
どこに泊まる

食べ歩きが目当ての旅に — 横浜のホテル

歴史あるウォーターフロントからみなとみらいまで、グルメエリアの近くを厳選

1
InterContinental Yokohama Grand
5つ星 · みなとみらいのウォーターフロント · 中華街まで徒歩圏内

臨港パークのウォーターフロント沿いに建つインターコンチネンタルは、山下公園まで徒歩10分、中華街まで徒歩15分と好アクセス。館内の和食レストランでは鉄板焼きと寿司を味わえます。高層階から眺める夜の港の景色は、横浜でいちばんの「無料の絶景」のひとつですよ。

アクセス:みなとみらい駅(みなとみらい線)すぐ
2
Hotel New Grand
歴史あるランドマーク · 1927年開業 · スパゲッティナポリタン発祥の地

ここに泊まるということは、朝食に階下へ下りて、かつてマッカーサーのスタッフがナポリタンを食べた部屋で食事をするということ。本館(1927年)は文化財に指定されていて、客室は古き良き趣を残しながらも、不便さは感じさせません。山下公園は目の前、中華街までは徒歩10分です。

アクセス:山下公園に隣接 · 元町・中華街駅から徒歩10分
3
Yokohama Royal Park Hotel
ランドマークタワー52〜67階 · 270度の街と港のパノラマ

眺めだけでも、横浜ロイヤルパークホテルに文句のつけようはありません。晴れた日には、西に街を見下ろすように富士山が姿を現します。68階の最上階レストランでは、同じパノラマとともにフレンチと和食を味わえます。ランドマークタワー内という立地なので、みなとみらいのどこへも道路を渡らずに行けますよ。

アクセス:ランドマークタワー内 · みなとみらい駅(みなとみらい線)と地下で直結
よくある質問

FAQ · 食べ歩きの前によく聞かれること

吉村家の家系ラーメン、行列はどのくらい待ちますか?
平日のお昼と夜のピーク時で30〜45分ほど。週末は60〜90分になることもあります。いちばんラクなのは、開店直前(11時)か、お昼の混雑が落ち着く13〜16時に行くこと。吉村家は横浜駅から南へ徒歩10分ほど、ジョイナス側の5番出口が目印です。待ち時間が長すぎるときは、横浜や神奈川に同じような一杯を出す家系ラーメン店が130軒以上ありますよ。
横浜で崎陽軒のシウマイはどこで買えますか?
崎陽軒は横浜駅構内(そごう、地下街ポルタ)や新横浜駅にカウンターがあります。できたての温かいシウマイは駅のカウンターで。駅弁なら、電車に乗る前にホームの売店で買いましょう。お弁当は¥950〜1,100、できたてシウマイ6個は¥380〜550です。杉の経木(きょうぎ)の箱は余分な水分を吸ってくれて、これも体験の一部——電子レンジはNGですよ。
牛鍋とすき焼きはどう違うのですか?
牛鍋のほうが古い料理です。牛肉を味噌や、醤油+砂糖でそのまま鉄鍋で煮込みます。今のすき焼きを特徴づける「砂糖を焦がす(カラメル化させる)」工程はありません。そのぶんスープはより濃く、旨みが強くなります。太田なわのれん(1868年創業、日ノ出町駅近く)が、いちばん昔ながらのレシピを守っていて、A5ランクの和牛を使っています。お昼で1人¥4,000〜6,000、夜で¥8,000〜15,000くらいが目安。ディナーは予約がおすすめです。
ホテルニューグランドの元祖ナポリタンは今も食べられますか?予約は必要ですか?
はい。ホテルニューグランドでは今も、歴史ある本館1階のザ・カフェで、入江シェフの1945年のレシピを提供しています。ランチは予約不要です。ナポリタンは¥2,200〜2,600で、牛肉・ハム・ピーマン・マッシュルームに、濃厚なトマトソースとすりおろしチーズがからみます。ホテルは山下公園のすぐそばなので、中華街や大さん橋への散歩と組み合わせやすいですよ。
横浜中華街で食べ歩きするなら、おすすめと行く時間帯は?
屋台のおすすめはこちら。老祥記の肉まん(1個¥300〜400・街の基準ともいえる存在)、揚げシウマイ(1皿¥500〜600)、揚げごま団子(¥200〜300)、サクサクの台湾唐揚げ(¥400〜600)。多くの屋台は10時から。ベストな時間帯は平日の15〜18時で、屋台がすべて開いていて、人出もほどよい程度です。みなとみらい線で元町・中華街駅へ、2番出口から徒歩2分ですよ。