朝は三角市場のとれたてウニ丼から、午後は堺町通りの手吹きガラスとオルゴール、そして63基のガス灯が一つひとつ灯っていく夕暮れの運河まで — 小樽をきちんと味わうためのプランをご紹介します。
多くの人は札幌からの日帰りで小樽にやってきます — それはそれで全然アリです。電車は片道たった30分で¥750、主な見どころはすべて駅から歩いて行ける範囲にあり、早めに動けば運河、堺町通り、ルタオ、三角市場をまる1日で現実的にまわれます。
でも、あまり語られないことがひとつ。夕暮れの小樽は、昼間の小樽とはまるで別の街です。運河沿いの遊歩道に並ぶ63基のガス灯が17:00ごろに灯ると、赤レンガの倉庫が静かな水面に映り込み、日帰り客が札幌へ帰っていって人もまばらに — これこそ泊まる価値のある小樽の姿。そして一泊すれば、翌朝07:00、札幌からの始発が着く前の運河まで楽しめます。
下のプランは2パターン。主要スポットを全部おさえる詰め込み日帰りと、多くの人が素通りする場所も加えたゆったり2日間。小樽のすべてを見たいなら、小樽シティガイドもどうぞ。
海鮮市場の朝ごはん · 運河沿いの倉庫群 · ガラスとオルゴールの通り · 2層のフロマージュチーズケーキ · ガス灯がともる夕暮れの運河
小樽駅で電車を降りて北へ1分歩けば、もう三角市場です。名前は土地と屋根の三角形のかたちに由来します。中に入ると、幅の狭い200メートルの通路に沿って16のお店が並び、新鮮な魚やカニ、ホタテ、そして夜のうちに小樽港から運ばれてきたその日の水揚げを売っています。
市場内の6軒の食堂は07:00から営業し、海鮮丼を出します — ウニ、いくら、ホタテ、それにその朝とれたての旬のネタも。ウニをのせた丼はのせる量によって¥2,000〜3,500ほど。小樽は北海道のなかでもウニをしっかり食べられる手ごろな場所のひとつ — 近場でとれるので、輸送のための上乗せ価格がないんです。
三角市場から水辺に向かって10分歩くと小樽運河に着きます。1923年に造られた全長1.3キロのこの運河は、北海道でも有数のにぎやかな港町の物流を支える大動脈でした。両岸に並ぶ石造りの倉庫は — もともと米、酒、ニシンのために建てられたもので — いまはレストランやクラフトショップ、小さな歴史博物館に生まれ変わっています。
630メートルの運河遊歩道を、古い倉庫街に向かって東へ歩いてみましょう。10〜15メートルおきに立つガス灯のポールが朝の光を受けて、写真映えします。倉庫は手前に運河、背後に丘がそびえる構図がいちばんきれいに撮れます。夕暮れに戻ってくると雰囲気はがらりと変わります — だからこそ宿泊する人は有利なんです。
運河から南へ坂を10分上ると堺町通りに出ます — かつて銀行や商社が軒を連ねていた明治時代の石造りの建物が900メートルにわたって続き、いまはガラスショップ、オルゴール工房、スイーツカフェ、クラフトギャラリーに生まれ変わっています。同じくらいの品質のクラフトガラスでも、ここは札幌よりかなり手ごろです。
北一硝子三号館(もとは1891年の漁業倉庫)は3フロア構成。1階は和風のガラス器、2階は洋風の作品、3階はホームアクセサリー。小さな品なら¥800ほどから。隣接する工房ではガラス吹きの実演を無料で見学でき、短い吹きガラス体験を予約すれば¥2,500〜4,000です。小樽オルゴール堂 本館(1906年の石造りの建物)は入場無料 — 何百種類ものオルゴールが展示され、オリジナルのオルゴール作り体験は¥1,500から楽しめます。
通りの中ほどにあるのがメルヘン交差点 — 小樽でいちばん写真に撮られる場所です。角に立つ蒸気時計(オルゴール)が15分おきに蒸気を吹き上げて鳴ります。その真向かいにあるのが、1998年から続くルタオ本店です。
ルタオのドゥーブルフロマージュこそ、みんなが並んで買うチーズケーキ。2層仕立てで — 下はクリーミーな北海道産マスカルポーネのベース、上はより軽やかなクリームチーズのムース — 地元の牧場の牛乳で作られています。店内なら1切れ¥540、12カットのホールケーキは¥1,800〜2,500。お茶を一杯添えてカウンターでできたてを味わうのが王道ですが、お持ち帰り用の箱入りケーキも冷蔵・冷凍の両タイプがそろっています。
17:00ごろに運河へ戻って、ただ待ってみましょう。遊歩道に並ぶ63基のガス灯が、陽が落ちるにつれて一つひとつ灯り、水面に温かいアンバー色の光を投げかけます。背景の明治時代の倉庫も、昼間のレンガ色からやわらかな色合いへと表情を変えます。これこそ、小樽旅行のあとにみんながSNSに上げる一枚 — もう一度坂を下りてくる価値が本当にあります。秋には、倉庫の背後の丘の木々がもう一段の彩りを添えてくれます。
ディナーには2つの選択肢がよく合います。ひとつは堺町通りのお寿司 — その朝に小樽港で水揚げされた魚を、目の前で板前さんが握ってくれる木のカウンターのお店で。おまかせセットで1人¥2,500〜4,000ほど。もうひとつは運河沿いの小樽ビール醸造所のレストラン — 倉庫を改装した店内で、北海道の海鮮グリルやラーメン、そして店内で醸造したビールが味わえます。にぎやかで予約不要、1人¥1,500〜2,500です。
築130年の商人の屋敷 · 歩いてたどれる北海道初の鉄道 · 行列いらずでゆっくり味わうお寿司ランチ — 日帰り客がほとんど見ない、もうひとつの小樽
徒歩か路線バスで西へ向かい、1897年築の鰊御殿へ。明治時代、港町として小樽が全盛だったころ、ニシン漁は北海道でもっとも価値のある産業で、漁船団を率いた裕福な網元たちはこうした邸宅を建てました。黒ずんだ木造の建物には、当時の家具や漁具、そして網を引くために日本各地からやってきた季節労働者の記録がそのまま残されています。小樽が実際に何の上に築かれた街なのか — 観光ではなく、たくましい商いの野心だったことが伝わってきます。
見学を終えたら、東へ戻って手宮線跡地へ。19世紀後半に港から石炭や物資を運ぶために開通した国鉄手宮線は、1985年に廃止されました。線路と木の枕木は、街を貫く草の生えた一帯にそのまま残されています。地元の人が犬の散歩をし、子どもたちがレールの上を駆け、そして2月の小樽雪あかりの路のときには、跡地の全長にわたって雪のキャンドルや氷のランタンが並びます — 北海道でもひそやかに心に残る冬の風景のひとつです。
ランチは堺町通りへ戻りましょう。小樽がお寿司で名高いのは、この街が北海道の主要な港で、新鮮な魚が水揚げ場からほんの数時間しか離れていなかった時代にさかのぼります。通り沿いの木のカウンターのお寿司屋さんでは、その朝に小樽港へ届いた魚を出してくれます。サーモン、イカ、ウニ、ホタテ、それに空港の回転寿司のメニューでは見かけない旬のネタも。きちんとしたカウンターでのお昼のおまかせセットは1人¥2,500〜4,000。ランチ営業は多くの店で11:00〜15:00、行列も夜のピーク時より短めです。
午後をたっぷり使って時間に追われなければ、堺町通りの2周目は1周目とはまた違った楽しみ方ができます。買いたいものは昨日もう手に入れたはず — だから今日はゆっくり、小樽硝子工房の実演をじっくり眺めたり、歴史ある建物のカフェのテラス席でコーヒーと北海道プリンを味わったり。通りのクラフトショップでは、ガラスやオルゴール以外のお土産がほしい人向けに、北海道の乳製品や季節のお菓子、地酒なども売っています。
札幌行きの電車に乗る前に、もう一度ルタオに立ち寄って、ぎりぎりまで箱入りのお土産を — ドゥーブルフロマージュのオレンジ色の缶は、多くの人が持ち帰る定番です。旅がこのあと数日続いて、保冷できるくらい寒い場所へ行くなら、冷凍ケーキも選べます。
札幌駅からJR函館本線の快速(快速エアポート/快速いしかりライナーなど)で小樽まで約30分、片道¥750。電車は3〜5番線からおよそ15分おき、だいたい06:00〜23:00の運行です。JRパスが利用可能 — 予約不要。直通で乗り換えなしです。
すべて駅から歩いて行けます。三角市場1分、運河10分、堺町通り15分、手宮線跡地8分。もっと広い範囲は中央バスが1回¥210でカバーします。鰊御殿はバス3番または4番系統が必要(約15分)。たくさん買い物したときは駅近くでタクシーも利用できます。
小樽のホテルは駅から徒歩10分以内に集まっていて、1泊¥7,000〜20,000ほど。天然温泉のお風呂がある宿もあります。一泊すれば夜明けの運河が楽しめます — 札幌からの日帰り客が10:00ごろに到着する前 — 追加の費用を払う価値が本当にあります。候補は小樽シティガイドでご覧ください。
| 項目 | 節約 | ミドルレンジ | ゆったり |
|---|---|---|---|
| 札幌 ↔ 小樽 電車(往復) | ¥1,500 (約USD 10) |
¥1,500 (約USD 10) |
¥0 (JRパス) |
| 食事 2〜3回 | ¥1,500–2,000 (ラーメン+シンプルな丼) |
¥3,000–5,000 (海鮮丼+お寿司) |
¥6,000–10,000+ (おまかせ+ルタオ店内) |
| ルタオのチーズケーキ&スイーツ | ¥540 (1切れ) |
¥1,800–2,500 (ホールケーキ+コーヒー) |
¥3,000–5,000 (ギフトセット詰め合わせ) |
| お土産(ガラス/オルゴール) | ¥500–1,500 (小さな品) |
¥2,000–5,000 (上質なガラス 1〜2点) |
¥8,000–20,000+ (体験+こだわりの一点) |
| 宿泊費 | ¥5,000–8,000 | ¥10,000–18,000 | ¥20,000–40,000+ |
| 日帰り合計(宿泊なし) | ¥4,000–6,000 (約USD 27〜40) |
¥8,000–14,000 (約USD 55〜95) |
¥15,000–35,000+ (約USD 100〜240+) |
為替レートの参考:¥1 ≈ USD 0.0067 · 価格はおおよそで、季節により変動することがあります