奈良公園が鹿と大きなお寺の世界なら、もう少し南へ歩いてならまちへ。江戸時代の商家が並ぶ静かな路地には、今ではカフェや工芸の店、そして無料で中に入れる町家が点在しています。奈良でいちばんゆっくり、いちばん静かに過ごせる半日です。
多くの人は奈良に来ると、奈良公園で鹿にせんべいをあげて、東大寺の写真を撮り、その日の午後には電車で京都や大阪に戻ってしまいます。正直なところ、それはちょっともったいない。というのも、奈良公園から南へ歩いてたった10分のところにならまちがあるからです。15世紀ごろ、かつて元興寺の境内だった土地に発展した古い商家の町です。黒っぽい木造の家が並ぶ細い路地に、のれんが揺れ、店先には提灯がぶら下がっています。
この町の魅力は町家です。江戸時代の商家で、間口は狭いのに奥行きが深いのが特徴(昔は間口の広さに応じて税がかかったので、所有者は横ではなく奥へ深く建てたのです)。今ではその多くがカフェや工芸の店、和菓子屋、小さな資料館になっています。このページは、どこへ行けばいいかを知ったうえでならまちを歩けるように作りました。立ち寄る価値のあるスポット、無料で入れる古い家、駅からの歩き方、そして奈良公園と組み合わせて1日でまわる方法をご案内します。
この町はそれほど広くなく、半日あれば全部歩いてまわれます。下の詳しい解説の前に、この表で主な立ち寄りスポット・拝観料・かかる時間の目安をまとめました(料金や時間は変わることがあるので、出かける前に最新情報をご確認ください)。
| スポット | 種類 | 料金 | 所要時間の目安 | 見どころ |
|---|---|---|---|---|
| ならまちの路地ならまちの通り | 散策 | 無料 | 1〜2時間 | 町家 · 静かな路地 |
| 格子の家復元された町家 | 古民家 | 無料 | 15〜20分 | 狭く深い間口 · 構造が見られる |
| にぎわいの家1917年築の古民家 | 古民家 | 無料 | 15〜20分 | 小さな庭のある築100年の家 |
| 猿沢池猿沢池 | 眺め | 無料 | 20〜30分 | 水面に映る興福寺の五重塔* |
| 元興寺元興寺 · 世界遺産 | 寺院 | 約¥500 | 30〜40分 | 1998年世界遺産 · 9:00〜17:00 |
| カフェ&工芸の店カフェ&工芸の店 | 食べる&買う | 注文しだい | 自由 | 古民家がカフェ・店に |
実際にならまちを歩いた人たちが「ここは外せない」と口をそろえるスポット。無料で入れる町家から、五重塔が映る池、世界遺産の寺院、そして古い家のカフェまで。半日あれば全部つなげてまわれます。
🏮 町の中心1
この町のいちばんの楽しみは、細い路地を急がずぶらぶら歩くこと。両側には江戸時代の黒っぽい木造の家が並び、のれんが揺れ、家の軒先には地元のお守りである赤い布の人形「身代わり猿」がぶら下がっています。チケットも門もありません。路地で迷うままに歩いていれば、すてきな小さな店にきっと出会えます。
奈良 旅行ガイド →奈良の商家が中はどうなっているのか知りたいなら、ここがいちばんの答え。格子の家は伝統的な様式で再現された町家で、地元の自治体が運営し、無料で入れます。目を引くのは、間口が狭いのに奥へずっと続いていること。昔は間口の広さに応じて税がかかったので、所有者は横ではなく奥へ深く建てたのです。
奈良 旅行ガイド →
🌊 町の北の端3
駅から南へ歩いてならまちへ向かうと、ちょうど途中で猿沢池を通ります。749年に掘られた池で、周囲はおよそ360メートル、まわりは柳に囲まれています。水面に映る興福寺の五重塔は、室町時代から愛でられてきた古典的な「南都八景」のひとつ。路地に入る前に立ち止まって写真を撮るのにいちばんのスポットです。
奈良の観光 →この一帯はかつて元興寺の境内でした。今では寺そのものは小ぢんまりしていますが、1998年から世界遺産に登録されています。人気なのは、日本における仏教のごく初期にまでさかのぼると言われる古い瓦と、町なかにある小さく静かな石庭。散策の締めくくりにぴったりの場所です。
奈良の観光 →人々がならまちで午後をまるごと過ごす理由は、古い家のなかの店にあります。多くの町家が、ドリップコーヒーのカフェ、お茶の喫茶、和菓子屋、漆器の店、染め物の店、骨董屋に生まれ変わっています。石畳の路地を見下ろす木の窓辺でコーヒーをすする——それが「今日いちばん楽しかった休憩」だったと多くの人が口にします。
奈良 グルメガイド →
🦌 町のすぐ隣6
ならまちは奈良公園の南の端にぴったり接しているので、ふたつを1日で組み合わせるのがとても簡単。北へ数分歩けば、せんべいをあげられる野生の鹿が自由に歩きまわる広大な奈良公園、大仏のある東大寺、千の灯籠で知られる春日大社があります。定番のプランは、午前に奈良公園、午後はそのまま南へ下ってならまちへ、という流れです。
奈良の観光すべて →うれしいことに、ならまちは奈良の主要駅2つのどちらからも歩いて行きやすく、ややこしい乗り換えもありません。さらに奈良自体が、京都や大阪からの日帰りにちょうどいい場所です。
いちばん近い駅です。近鉄奈良駅を出て、南へ猿沢池を通りながらならまちの路地へ、約10〜15分。途中で池に立ち止まって写真が撮れるので、いちばん簡単できれいな入り方です。
JR奈良駅からは徒歩約20分。あまり歩きたくなければ、ならまちの南側を走る市内循環バス(1番・2番)に乗って、町の近くのバス停で降りる手もあります。
奈良は、京都(近鉄/JRで約45分)や大阪(約40〜50分)から電車で気軽に日帰りできます。京都や大阪に泊まって、午前と午後だけ足を運び、奈良公園とならまちを組み合わせて、夕方には戻る人も多いです。
奈良は小さな町で、中心部の宿の多くは奈良公園にもならまちにも徒歩10〜15分。近鉄奈良駅の近くに拠点を取れば、移動手段なしで1日中歩いてまわれます。
この町はコンパクトで、どのスポットも隣まで歩いて行ける距離です。ならまちの路地、格子の家、猿沢池、元興寺。猿沢池から南へ向かうルートを組めば、半日で全部まわれます。
奈良の旅行ガイドを開いて、奈良公園、鹿、東大寺、そしてならまちの古い町を全部1日で計画しましょう。あるいはまず、移動手段なしで1日中歩けるよう、奈良中心部の拠点を探すところから始めるのもおすすめです。