大きな青銅の大仏、今も修行が続く禅寺、線路にこぼれるように咲く紫陽花 — 鎌倉はシンプルに見えますが、出発前に知っておく価値のある細かなポイントがいくつもあります。電車に乗り込んだ瞬間から東京に戻ってくるまで、一日をまるごとスムーズに過ごすために。
鎌倉は東京からわずか50km、1時間かからない距離です。でも路線や料金には意外と差があるので、出かける前に正しいルートを選んでおくと得をします。
鎌倉は広くはないものの、見どころはいくつかのエリアに散らばっています。一日のプランを立てる前に、どう移動するかを考えておきましょう。
正直なところを言うと、鎌倉の多くは歩いてまわれますが、主な見どころは駅の両側に分かれています。東口を出れば、鶴岡八幡宮や小町通りまでまっすぐ歩いていけます。西側と海沿い — 長谷寺、高徳院(大仏)、江の島 — は江ノ電かバスが必要です。
鎌倉の海沿いを走る小さな電車・江ノ電が、まる一日乗り放題。鎌倉駅から長谷・江の島・稲村ヶ崎を通って藤沢までずっと走っています。一日3回以上乗るなら元が取れます。
新宿から行くなら、このパスは新宿〜藤沢間の小田急往復運賃と江ノ電乗り放題がセットで1,640円 — 別々に切符を買うよりお得です。小田急線の新宿駅で購入できます。
江ノ電が届かない場所、たとえば北鎌倉駅に近い北部のお寺(円覚寺、建長寺)などをカバーします。運賃は1回180〜250円で、SuicaやPasmoも問題なく使えます。
鶴岡八幡宮、小町通り、大仏ハイキングコースのあたりは歩いてまわるのに快適です。鎌倉駅前ではレンタサイクルが一日1,000〜1,500円ほどで借りられ、バスがあまり通らない静かな裏道や路地をめぐるのに便利です。
鎌倉には65を超えるお寺と神社があり、そのどれもが今も生きた修行とお参りの場であって、屋外の博物館ではありません。
急ぎ足でお寺に入り、おやつを片手に写真を撮って、5分もせずに帰っていく人を見かけたことがあるかもしれません。ここのお寺は、それよりずっと多くのものを与えてくれます。ゆっくり、敬意をもって歩けば、まったく違う何かを持ち帰れますよ。
どの季節にも見逃したくない何かがあり、なかには本当に混み合う時期もあります。先に知っておくと、ずっといいプランが立てられますよ。
桜は3月下旬から4月上旬にかけて、鶴岡八幡宮や一段高くなった段葛(だんかずら)の参道沿いで見頃を迎えます。古いお寺を背にしたピンクの花は、一度は見ておく価値のある光景です — ただし桜のシーズンは一年でいちばん混みます。午前9時前に駅に着くのを目標に。平日は週末よりずっと空いていることも覚えておきましょう。気温は10〜18°Cで、歩くのに心地よい陽気です。
6月は紫陽花(あじさい)が咲く月です。明月院は「あじさい寺」として有名で、深い青紫の株がおよそ2,500本。長谷寺には海の眺めも楽しめる、崖沿いの紫陽花の小道があります。難点は見頃の週末の混雑 — 明月院は午前10時を過ぎて着くと、待ち時間が60分を超えることもあります。午前9時前がおすすめです。
15〜22°Cの涼しく心地よい空気、お寺の庭で赤や金色に色づく木々、そして桜や紫陽花のシーズンよりずっと少ない人出。晴れた空のもと、長谷寺の崖からの海の眺めも開けます。きれいな紅葉、いい天気、ちょうどいい人出をいっぺんに楽しみたいなら、10月と11月は一年でもっともバランスのとれた時期です。
訪れる人がいちばん少なく、青空もとくに澄んでいます。大仏の向こうの海はくっきりと見え、日によっては七里ヶ浜や稲村ヶ崎のビーチから富士山が見えることも — 信じられないくらいの絶景です。気温は5〜12°Cなので暖かいコートが欲しくなりますが、行列もなく、お寺をゆっくり歩けます。
プランの目安となるおおよその金額です — 鎌倉は日帰りならほとんどお金はかかりません。一泊するなら、これに宿泊代が上乗せされます。
| 項目 | 節約 | 標準 | ゆったり |
|---|---|---|---|
| 東京からの往復電車 | ¥2,080(往復)— どのレベルでも同じ · JRパスなら追加料金なし | ||
| お寺・神社の拝観(3〜5か所) | ¥600〜1,000(鶴岡八幡宮など無料の場所を中心に) | ¥1,500〜2,500(主要なお寺3〜4か所) | ¥3,000〜(銭洗弁財天、報国寺フルで含む) |
| 大仏(高徳院) | ¥300(境内)+ ¥50(大仏の中)— どのレベルでも同じ | ||
| 江ノ電 / バス | ¥400〜600(片道切符) | ¥800(のりおりくん一日乗車券) | ¥800〜1,640(のりおりくん、または小田急のパス) |
| 食事(2〜3食) | ¥1,500〜2,000(路地の屋台 / 小町通り) | ¥3,000〜5,000(海鮮 / 和食) | ¥7,000〜(海辺の新鮮な海鮮) |
| おみやげ / 抹茶 | ¥500〜1,000 | ¥1,500〜3,000 | ¥5,000〜 |
| 一日あたりのおおよその合計(宿泊代は含まず) | 約 ¥5,000〜7,000 | 約 ¥9,000〜13,000 | ¥18,000〜 |
ここでは脱ぎ履きしやすい靴がとても大事です。多くのお寺の建物では、入る前に靴を脱ぐ必要があるからです。ひもをほどく手間のある靴より、スリッポンやひものないスニーカーのほうが断然スムーズ。靴下も履いていきましょう — あの古い床は、とくに冬は冷えます。服装はきちんとめに。フォーマルでなくていいですが、お寺の中ではタンクトップやごく短いショートパンツは避けて。
ほとんどのお寺や小さな飲食店は現金のみで、とくにお寺の拝観料はカードが使えません。海外発行のカードでいちばん確実に使えるATMは、セブンイレブンとゆうちょ銀行のものです。東京を出る前に引き出しておくのがいちばん安心です。
Googleマップは日本での電車・バス・徒歩のルート検索にとても役立つので、電車の時刻を調べるためにモバイルデータが欲しくなります。多くの人にとっては、ポケットWi-Fiよりも持ち歩く機器が増えないeSIMのほうがおすすめ。出発前に、5〜7日で1,000〜2,000円ほどのものを買っておきましょう。
御朱印(ごしゅいん)— お寺や神社の方が墨で書いてくださる印 — を集めたいなら、小さな御朱印帳が1,000〜2,000円ほどで、鎌倉のほとんどのお寺で買えます。どのお寺にもそれぞれ独特のデザインがあり、冷蔵庫に貼るマグネットよりずっと心に残る記念になりますよ。