日本でもっとも当時の姿を残す城下町のひとつ。名園に3つの茶屋街、寿司からアイスまで何にでものる金箔、そして日本海ならではの新鮮な海の幸。アクセスの仕方、街の歩き方、古い町並みでの振る舞い方さえ知っておけば、この街はきれいなインスタ映え以上のものを、きっとあなたに見せてくれます。
金沢は石川県、日本海沿いにある街です。北陸新幹線が開通してからは、東京からの所要時間が3時間を大きく切るようになりました。
金沢に地下鉄はありませんが、周遊バスと市内バスのネットワークが、主要な観光エリアを効率よく結んでくれます。
来てみるまで意外と知られていないのが、金沢に地下鉄がないこと。でも街自体がコンパクトなので、そもそも必要ないんです。金沢周遊バスが2つの循環ルート(右回り・左回り)を走っていて、金沢駅からひがし茶屋街・兼六園・金沢城・長町・21世紀美術館まで、主要な見どころをぜんぶカバーしてくれます。
右回り・左回りの両ルートが1日乗り放題。バスは15〜20分おきに運行しています。車内か、金沢駅東口近くの観光案内所で購入できます。1回乗車は200円なので、4回乗ればもう元が取れますよ。
多くの人が使うのは右回り。駅 → ひがし茶屋街 → 兼六園 → 金沢城 → 近江町市場 → 長町 → 駅に戻る、という順番です。左回りは逆方向で、メインの観光ルートからは少し外れたにし茶屋街や妙立寺(通称・忍者寺)を通ります。
金沢は自転車のインフラが整っていて、街の中心部は比較的平坦です。駅近くの「えきちゃり」や金沢まちのりで、1時間200〜300円、1日1,000円ほどで借りられます。兼六園 → 金沢城 → ひがし茶屋街 → 近江町市場をめぐるルートは全体で5〜6kmほど。走っていてとても気持ちがいいですよ。
金沢駅の外にはタクシーが並んでいて、街なかでも簡単につかまえられます。グループのときや、荷物が多いときに便利。駅から兼六園までは700〜900円ほどです。金沢にUberはないので、配車にはJapanTaxiアプリを使いましょう。
ここは博物館のような街ではありません。茶屋街では今も芸妓さんが働き、能の舞台は今も演じられ、職人さんたちは祖父母の代と同じ工房で金箔を作り続けています。
金沢は第二次世界大戦の空襲をほぼ免れたので、街に残る文化は再建ものではなく、本物の古さを持っています。茶屋街や長町を、テーマパークではなく、人が暮らす町として接すること。そうすれば、住民の方やお店の人も、ずっと温かく迎えてくれますよ。
金沢は何世紀にもわたって日本の金箔づくりを担ってきました——かつて前田家が、江戸(東京)と金沢を除く日本中での金箔製造を禁じ、名工たちをこの地に集めたのです。今ではひがし茶屋街の工房で、本物の24金の金箔を漆器やしおり、スマホケースに貼る体験ができます。所要はおよそ30分、料金は1人1,500〜3,000円ほどで、ほとんどの工房は予約なしでも歓迎してくれますよ。
この街は一年を通して訪れる価値がありますが、季節ごとにまったく違う表情を見せてくれます。
3月下旬〜4月上旬には、兼六園で400本を超える桜が咲き、夜桜のライトアップや、開花期間中の無料開放も楽しめます。気温は12〜20℃と過ごしやすい時期。難点は、ホテルが何か月も前に満室になり、料金もぐっと上がること。桜の時期は3〜4か月前に予約しておきましょう。
6月上旬には、金沢最大の年間行事・百万石まつりが3日間にわたって開かれ、武者や芸者の装いをした約1,000人の行列が街を練り歩きます。25〜32℃と蒸し暑いものの、東京よりは涼しめ。兼六園は毎日朝8時前なら無料です。観光客も春や秋より少なめですよ。
11月中旬からは、紅葉と黄葉が兼六園を彩り、燃えるような紅葉を背景に、池に映り込む名物の徽軫灯籠(ことじとうろう)が見られます。紅葉のピーク時は庭園が無料開放に。10〜18℃と、散策にぴったりの爽やかな陽気です。週末はホテルが埋まりますが、平日なら無理に早く計画しなくても大丈夫なことが多いですよ。
金沢は、とくに1月に雪がたくさん降ります。名物の雪吊りをまとった松が立つ雪化粧の兼六園は、日本の冬を象徴する風景のひとつ。ホテル代はぐっと下がり、人もほとんどいなくなって、街を独り占めできます。気温は0〜7℃——しっかり重ね着していきましょう。
金沢は東京や京都よりはっきり安め——計画の目安として、ざっくりとしたガイドです。
| 項目 | 節約 | 標準 | ゆったり |
|---|---|---|---|
| 宿泊(1人・1泊あたり) | 3,000〜5,000円(ホステル / ゲストハウス) | 7,000〜12,000円(3つ星ホテル / 旅館) | 18,000円〜(食事付きの旅館) |
| 食事(3食) | 1,500〜2,500円(定食 / コンビニ) | 3,000〜5,000円(寿司 / 新鮮な海の幸) | 8,000円〜(懐石 / おまかせ寿司) |
| 兼六園 | 大人320円(桜・紅葉のシーズンと、夏の朝8時前は無料) | ||
| 21世紀美術館 | 無料(公共ゾーン) | 1,200〜2,500円(特別展) | 1,200〜2,500円(特別展) |
| 市内の移動 | 400〜800円(徒歩 / バス数回) | 800円(周遊バス1日フリー乗車券) | 2,000〜4,000円(タクシー) |
| お土産 / 金箔体験 | 500〜1,000円 | 2,000〜5,000円 | 10,000円〜 |
| 1日の合計目安 | 約8,000〜12,000円 | 約15,000〜25,000円 | 35,000円〜 |
金沢の日本海側の気候は、太平洋側の街より涼しくて雨も多めです。いつ訪れても雨は十分あり得ますし、冬には本物の雪も降ります。きちんと荷づくりしておくかどうかで、ひがし茶屋街を気持ちよく散策できるか、ずぶ濡れで凍えながらバタバタするかが分かれますよ。
コンパクトな折りたたみ傘(どの季節も雨が多い)· 脱ぎ履きしやすい靴(お茶屋・茶室・お寺)· 現金2万〜3万円(現金のみの地元のお店が多い)· モバイルバッテリー(よく歩く日はスマホがすぐ減る)· エコバッグ(近江町市場での買い物に便利)
厚手のコート · 保温インナー · 帽子・マフラー・手袋 · グリップのある防水ブーツ(道が凍ることがあります)· カイロ——どこでも1個100円ほどで売っています。金沢駅の観光案内所では、冬の降雪期にスノーブーツを無料で貸し出してくれます。
薄手のレインジャケットか携帯ポンチョ(6〜7月は梅雨で激しい雨が降ります)· SPF50+の日焼け止め · 水筒(自販機はどこにでもあり、100〜150円)· 携帯扇子や冷感タオル
主要な観光地や駅では、英語の表示がしっかりしています。金沢駅の観光案内所には英語を話せるスタッフもいます。近江町市場の小さな屋台や昔ながらのお茶屋では、英語が通じにくいこともありますが——Google翻訳のカメラ機能が、日本のメニューや看板にはよく効きますよ。