京都西部。嵯峨野の竹林は一日中無料で歩け、その奥には世界遺産の天龍寺がたたずみ、モンキーパークからは街全体を見渡せて、トロッコ列車が渓谷を縫って走ります。そのすべてを一日でまわれます。
想像してみてください。小道の両側に竹が高くそびえる森に足を踏み入れると、朝の光が淡い緑の筋になって木々のあいだから差し込み、風が通り抜けるたびに竹がカランカランと乾いた音を立てて触れ合います。これは日本が「残したい日本の音風景100選」に選んだほどの音です。これが嵯峨野の竹林。世界中の旅行者が一度は嵐山を見てみたいと思う理由がここにあります。
嵐山は京都西部の自然エリアで、徒歩でまわれる範囲にいろいろなものが詰まっています。無料で歩ける嵯峨野の竹林、世界遺産の禅寺天龍寺、川にアーチを描く木造の渡月橋、丘の上の岩田山モンキーパーク、そして渓谷を縫って走る嵯峨野トロッコ列車。そのすべてが京都駅からJRでたった約15分のところにあります。
嵐山が特別なのは、ひとつだけを選ばなくていいところ。静かな早朝に竹林を歩き、午前中はお寺を訪ね、川沿いでお昼を食べ、午後はサルと街の眺めを目当てに山を登り、帰りはトロッコ列車に乗る。このひと回りを一日でゆったりこなせます。
無理なく歩いてまわれる順番に並べています — 朝の竹林からはじめて、川沿いの橋へと下っていきます。
嵐山の中心。両側に高さ20メートルにもなる竹が並ぶ公共の小道で、天龍寺の北門から大河内山荘のあたりまで続いています。朝早く7〜8時が、光がいちばんよくて人もいちばん少ない時間帯。9時から16時のあいだに来るととても混み合います。とくに桜や紅葉の時期はなおさらなので、できるだけ早く行きましょう。
1994年に世界遺産に登録された臨済宗の禅寺。見どころは曹源池庭園で、背後の嵐山の山々を借景として取り込むように設計されています。日本政府が史跡かつ特別名勝の両方に最初に指定した場所でもあります。庭園の入場料は¥500、建物内に入るにはさらに¥300かかります。お寺の北門は竹林にそのままつながっているので、続けて歩いていけます。
昭和時代の無声映画スター、大河内傳次郎が30年以上(1931年から)かけてほぼ自らの手で造り上げた回遊式庭園。竹林の小道の奥のほうにあります。入場料の¥1,000は高く感じるかもしれませんが、庭園の茶室であたたかい抹茶とお菓子が一服ついてきます。丘からの眺めには京都の街と周囲の山々が広がり、ほかの場所よりずっと人が少ないので、賑わいから逃れるには絶好の場所です。
渡月橋を渡って南岸へ行き、約20分の上り坂を歩きます(そこそこ急ですが、道はよく整備されていて子どもでも登れます)。頂上には約120頭の野生のニホンザルが自由に過ごしていて、京都の街全体を見渡せる展望スポットがあります。晴れた日には京都タワーも見えます。サルのエサを1袋¥100で買って、囲いの中からあげましょう(ここでは人が檻の中に入り、サルが外にいる、ふつうの動物園とは逆のスタイルです)。大雨や雪の日は閉園します。
嵐山を代表するランドマーク。その名は「月を渡る橋」を意味し、鎌倉時代の亀山天皇が、まるで橋の上を月が渡っていくように見えるのを眺めたことに由来します。現在の橋は1934年に鉄筋コンクリートで架け替えられましたが、もとの趣を残すために木の欄干を保っています。眺めはどの季節も美しく、なかでも11月の紅葉で背後の山々が色づくころは格別です。
クラシックでレトロな列車(トロッコと呼ばれます)が保津川の渓谷沿いをゆっくり走り、トロッコ嵯峨駅からトロッコ亀岡駅までの7.3キロを約25分で結びます。片道運賃は大人¥880(約฿205)、子ども¥400です。一部の車両は窓のないオープンタイプで、風と眺めをまるごと楽しめます。
とても大事なこと。この路線は冬季は運休し、2026年は3月1日から運行開始です。眺めがいちばんいいのは11月の紅葉の時期で、ちょうどチケットがいちばん早く売り切れる時期でもあります。ハイシーズンは席がすぐ埋まるので早めに予約を。川側の眺めがほしいなら、偶数番号の席を選びましょう。
誰も写っていない竹林の小道を撮るには、方法はひとつだけ。観光バスが到着する前の朝早く、7時〜7時半に行くことです。竹のてっぺんから光が筋になって降りそそぐ朝の光景は、みんなが狙う理想の一枚。渡月橋は一日中よく撮れますが、夕方近く、背後の山々が黄金色の光に包まれる時間帯がいちばん暖かみのある写真になります。
見落とされがちなアングルが岩田山モンキーパークの展望スポット。少し疲れる登りですが、その先には京都全体、桂川、そして眼下の渡月橋を見渡すパノラマが待っています。汗をかく価値は間違いなくあります。
嵐山へは3つの鉄道路線が通っています。どこから出発するか、どのスポットを最初に見たいかに合わせて選びましょう。
京都駅周辺や市街地に泊まれば、JRで15分で嵐山へ行けます。