朝は港のそばのカップヌードルミュージアムから、夜は日本最大の中華街で肉まんを頬張るまで。東京に何度も来ている人でも「へえ!」と思う横浜を、このプランで案内します。
多くの人は横浜を、東京旅行に1時間ほど足すおまけ扱いにしがちです。みなとみらいをぶらっと歩いて、コスモクロック21の前で写真を撮って帰る、という感じ。それはそれで全然アリですが、ちょっともったいない。横浜は1859年から日本の玄関口となった港町で、その歴史がちゃんと街に刻まれています。山手の丘に残る西洋館、日本のどこより大きい160年の歴史を持つ中華街、レンガ倉庫を生まれ変わらせた港、そして京都にも引けを取らない歴史ある庭園まであるんです。
このページの1日プランは、東京からの日帰り向け。みなとみらいと中華街の要所を、あわてずに全部まわれる組み立てです。2日プランでは三溪園(東京の人でも行ったことのない人が多い、18ヘクタールの日本庭園)と、都心とはまるで違うヨーロッパの雰囲気が漂う元町ショッピングストリートをプラス。どのスポットもみなとみらい線でつながっています。港エリア一帯を結ぶ私鉄路線です。
2026年に訪れる方へひとつ大事なお知らせ。ランドマークタワー69階のスカイガーデン展望台は、改装のため一時休業中です(再開は2026年後半〜2027年初めの見込み)。コスモクロック21、マリンタワー、そして無料で上がれる大さん橋の屋上はどれも通常どおり営業していて、すばらしい眺めが楽しめますよ。
朝は自分だけのカップヌードルづくり · 午後は赤レンガ倉庫を散策 · 夜は中華街を食べ歩き。横浜の見え方がガラッと変わる1日です。
まずは開館と同時の10:00ちょうどにカップヌードルミュージアムへ。11:00ごろに団体が来る前がねらい目です。日清が運営するこのミュージアムは、思っている以上に体験型。いちばんの目玉はマイカップヌードルファクトリー(¥500 — カップに自分で絵を描き、スープと4つの具材を選んで、世界にひとつのおみやげを密封して持ち帰れます。所要約45分、ネットで事前予約を)とチキンラーメンファクトリー(¥500 — 本物のチキンラーメンの麺を手でこね、切るところまで体験。事前予約は必須です)。ワークショップを予約しなくても、インスタントヌードルの歴史を並べたヒストリーキューブの壁や、世界中のパッケージコレクションは見ごたえたっぷりで、¥500の入館料に含まれていますよ。
ミュージアムのあとは、海沿いを北へ10分ほど歩いてよこはまコスモワールドへ。遊園地自体は入場無料で、アトラクションごとに料金を払う仕組みです。主役はコスモクロック21。高さ112.5メートルの観覧車で、1989年の博覧会以来みなとみらいの顔になっています。1周約15分で¥900。晴れた日にはランドマークタワーやベイブリッジが見え、条件がそろえば西の地平線に富士山も望めます。
コスモワールド近くでランチをとったら、南へ10分ほど歩いて赤レンガ倉庫へ。1911年に税関の倉庫として建てられた2棟のレンガ建築で、今はショップやクラフトビールのバー、レストランが入っています。入場は無料。1階のフロアは肩ひじ張らない雰囲気で、地元ブランドや横浜ならではのおみやげ、海に面した広場では季節ごとの屋外マーケットも。前に広がる海沿いの遊歩道は、レンガの壁に光が差す夕方前がとくにきれいです。
さらに海沿いを東へ15分ほど進むと大さん橋国際客船ターミナル(大さん橋)に着きます。波打つようなウッドデッキの屋上は無料の開放的な展望スペースで、横浜でも屈指の360度ビュー。左手にランドマークタワー、右手にベイブリッジ、すぐ横に大型客船が停泊していることもあります。大さん橋から海沿いを南へ10分ほど歩けば山下公園へ。全長750メートルの細長い公園で、1930年就航の引退した客船「氷川丸」がずっと係留され、見学もできます(¥400)。
山下公園からは歩いてすぐ、またはみなとみらい線で1駅の元町・中華街駅へ。中華街方面の出口を出れば、横浜中華街の赤と金の牌楼(門)まで2分です。日本最大の中華街で、4本のメインストリートと無数の路地に600軒を超える店がひしめいています。160年以上の歴史があるからこその深みと本物感は、日本のほかのどの中華街にもまねできません。
ここで食べたいもの。肉まんは外せない定番で、聘珍樓や萬珍樓の店先の窓口で買えます(1個¥180〜250、立ち食いで)。じっくり座って食べたいなら、広東料理の点心や鴨が名物。台湾風の火鍋や牛肉ステーキのセットもおすすめです。しっかりした食事なら1人¥1,500〜3,000が目安。雰囲気がいちばん盛り上がるのは、提灯やネオンサインが輝く18:00〜20:00です。
東京に長く住む人でも驚く歴史ある庭園 · 本物のヨーロッパらしさを持つショッピングストリート · 夕暮れの光のなか、もう一度大さん橋へ。2日目は、横浜が日帰り以上の価値を持つ理由を教えてくれます。
学校の団体が午前なかばに来る前、開園の09:00に三溪園へ。この庭園は明治時代の生糸商人・原三溪がつくり上げたもので、何十年もかけて日本各地から17棟以上の歴史的な木造建築を、横浜南部の18ヘクタールの敷地に移築しました。なかには1457年の旧燈明寺三重塔、1649年の臨春閣、岐阜の山間部から移したかやぶき屋根の古民家、室町時代の茶室がいくつも。ある一つの時代だけの庭園とはまるで違い、4世紀にわたる日本建築を集めた選りすぐりの作品集のようです。
内苑はゆったり歩いて約90分。象徴的な景色は、中央の池に映る三重塔です。桜の季節(3月下旬〜4月上旬)や紅葉(11月中旬)には、その眺めはもう格別。その時期を外しても、訪れる価値は十分にあります。古い松やもみじの枝越しに差すやわらかな光、足もとの砂利の音、そしてほぼ完全な静けさ。都心から手の届く範囲で、いちばん心穏やかになれる場所のひとつです。
バスかタクシーで元町・中華街に戻り、元町通りへ。全長600メートルの歩行者天国で、1950年代から横浜でいちばんおしゃれな買い物どころとして知られてきました。お店はほとんどが地元の個人店。横浜発のファッションブランドや、50年〜100年続く老舗の菓子店、宝飾店、喫茶店が並びます。この通りにはスターバックスも大手チェーンもなく、磨き上げられた店構えとは裏腹に、どこかタイムカプセルのような味わいがあります。通りの片側には中村川が流れ、その上には山手の丘の斜面が見えます。
午後なかばには、もう一度山下公園へ。今度は天気がよければ、公園のすぐ横にそびえる高さ106メートルの白い塔、横浜マリンタワーに上ってみては。29階の展望フロア(¥1,000)からは、ランドマークタワーのかつてのスカイガーデンとはまた違った眺めが楽しめます。眼下に大さん橋、湾の向こうにみなとみらいを見渡せますよ。
横浜の滞在の締めくくりは、中華街でゆっくり夕食を。2日目はじっくり座って味わう時間があります。広東風の焼き鴨、点心、台湾の牛肉麺など、専門店でいろいろ楽しめます。中級のお店なら、フルコースで1人¥1,500〜3,500ほど。食事のあとは元町・中華街駅まで歩いて戻り、みなとみらい線で横浜駅へ(8分)、そこから東急東横線の特急に乗れば、約25分で渋谷に着きます。
多くの人が見逃す、風通しのよい丘の上のヴィクトリア朝の館 · 人工島にある世界レベルの水族館。横浜のまったく別の顔を見てみたい人へ。
1859年に横浜が開港すると、イギリス・アメリカ・フランス・ドイツの商人たちが、中華街を見下ろす風通しのよい丘に住みつきました。その丘を日本人は山手と名づけました。彼らの住まいのいくつかは地震や戦争を生き延び、丁寧に修復されて、今は無料で一般公開されています。ブラフ18番館、横浜市イギリス館、エリスマン邸、そして外国人墓地。外国人墓地には4,000人以上の外国人が眠っていて、日本でもとくに趣のある墓地のひとつです。主な館をめぐる散策コースは、ゆっくり回って約2時間。丘は元町・中華街駅の山手口から徒歩10分です。
横浜からJR京浜東北線で新杉田へ、そこから金沢シーサイドラインに乗って八景島シーパラダイスへ。横浜湾の南端の人工島にある、水族館と遊園地が一体になった施設です。水族館(大人は水族館のみ¥2,700、アトラクション込みで¥4,300)は首都圏でも屈指。シロイルカ、ラッコ、イルカ、オットセイなどがいて、360度見渡せる歩いて通り抜けるドルフィンファンタジーのトンネルは、子どもも大人も必ず感動します。家族連れや、海の生きものに強い関心がある人にはとくにおすすめ。どちらでもなければ、無理に行かなくても大丈夫です。
いちばん速くて安いのは、渋谷から横浜駅までの東急東横線・特急。約25分、¥280です。横浜からはみなとみらい線に乗り継いで、みなとみらい駅(カップヌードル、赤レンガ)か元町・中華街駅(中華街、元町、山下公園)へ。ジャパンレールパスを持っている人は、JR京浜東北線・根岸線で桜木町まで行けます。みなとみらいから徒歩10分です。ただし、みなとみらい線は私鉄なのでレールパスは使えませんのでご注意を。
横浜に1〜2泊するなら、みなとみらいか桜木町エリアが便利。赤レンガ倉庫やカップヌードルミュージアムまで歩いて行けます。3〜4つ星のホテルで、1泊だいたい¥8,000〜15,000が目安。東京に泊まって日帰りするなら、横浜のホテルを取る必要はありません。往復が速いので、丸1日ゆったり楽しめますよ。ホテル選びは横浜のシティガイドをどうぞ。
みなとみらい線一日乗車券は¥700で、1日に4回以上乗るなら元が取れます。2〜3駅だけなら、SUICA/PASMOで1回ずつ払うほうが安いです。みなとみらい線はジャパンレールパスの対象外ですが、桜木町までのJR根岸線と、新杉田までの京浜東北線(八景島へ)はカバーされています。数千円チャージしたSUICAかPASMOのICカードが、いちばん融通がきく選択肢ですよ。
| 項目 | 節約 | 標準 | ゆったり |
|---|---|---|---|
| 渋谷〜横浜の往復電車 | ¥560 (約$3.70) |
¥560 (同じ) |
¥560 (同じ) |
| みなとみらい線(市内) | ¥360〜540 (2〜3回) |
¥700 (一日乗車券) |
¥700 (一日乗車券) |
| 観光施設(1日目) | ¥500 (カップヌードルのみ) |
¥1,400 (+コスモクロック¥900) |
¥2,400 (+マリンタワー¥1,000) |
| 食事(3食) | ¥1,500〜2,000 (ラーメン+中華街の肉まん) |
¥2,500〜4,000 (着席+軽食) |
¥4,000〜7,000 (高級店も) |
| 1日の合計(目安) | ¥2,920〜3,600 (約$19〜24) |
¥5,160〜7,660 (約$34〜50) |
¥7,660〜11,660 (約$50〜76) |
為替の目安:¥150 ≈ $1 USD · 東京からの日帰りの場合、宿泊費は含みません · 料金は目安で、季節によって変動します。